123です。
波無い時のおすすめ読書。
今回はディーリアオーエンズ著の『ザリガニの鳴くところ』のブックレビューです。
実は昨年末には読み終えていたんですが、記事にしておりませんでした。
2021年の本屋大賞翻訳小説部門1位を受賞してあらゆる本屋に並べられたこの本ですが、購入の決め手は著者のディーリア・オーエンズの経歴。
動物学者であり、ノンフィクション本は過去にも出していたものの、小説執筆は69歳で初めて。
そんな経歴の著者が描く小説ってどんな内容なのかと気になり購入。
結果、これは買ってよかった。
子供が大きくなったら勧めてあげようと思います。
『ザリガニの鳴くところとは』

舞台は、1969年前後のノースカロライナ州の湿地とその周辺地域。
肉親から見捨てられ「湿地の少女」として長年地域住民から疎外され孤独と戦ってきた主人公カイアの成長過程と、一件の殺人事件のミステリが別の時系列で同時にすすめられる内容から最後に一緒になっていきます。
本屋大賞受賞の際の著者ディーリア・オーエンズのコメント動画があったのではっておきます↓
123レビュー(ネタばれ無しで)
この本は読むにあたって内容は極力知らないほうがいいかと思いますので、ネタバレ
しない内容でm(__)m
著者がいうように様々なメッセージが込められている物語です。
ミステリ小説の要素もあり、成長するひとりの少女の物語であり、美しい自然情景を描いた文学でもあり。
その中で私が一番心に残ったのは、自然界と人間社会の双方ある美しさと醜さが描かれているところ。
カイアの住む湿地は陰鬱で不気味な雰囲気がありながら、様々な生物達が暮らしている豊かで美しい一面も秘めている。
同じく人間模様も差別や偏見が根付いているコミュニティの中に、優しい登場人物達がカイヤに優しく手を差し伸べてくれる。
双方の美醜が色濃く描かれて、どんどんその世界に引き込まれていきます。
自然界にみえる美醜の表現は、動物学者としての筆者のキャリアのなせる業だと思います。
自然描写だけでも圧倒される内容に、ミステリ要素と社会派要素も加わって、読み終えた後の余韻はなかなかなもの。
物語のフィナーレはきっと読む人によって賛否両論、捉え方も違った形になりそうです。
500ページのやや長めな内容ではありますが、先が気になって一気に読んでしまいたくなります。
波の無い日のお供、またはサーフトリップのウェイティングにおすすめの一冊でございいますm(__)m
成長した娘に勧めたい
個人的には読み進めやすい小説だったので、自分の子供達が大きくなったら勧めたいと思いました。
という事で電子書籍でなく紙の本で購入で良かった。
孤独と戦い成長していく少女の物語は、おそらく女性のほうが共感しやすいような気がします。
成長した娘に渡して読了後にどんな感想になるのか、いまから楽しみです。
それまで、この本は大切に保管したいと思います。
Kindle版もあり↓
コメントを残す