123です。
常に議論されているであろうサーフボードのPU素材とEPS素材。
10年前だとPU使用率のほうが明らかに多かった。
しかしここ数年は、どのサーフボードブランドもEPS素材開発が進み議論はヒートアップしてきた印象です。
それぞれのメリットとデメリットによって適材適所もあるし、各々サーファーの好みもある。
重要なのは使用するサーファーがそれぞれの素材の違いによる乗り味の違いを、理解しておく事だと思います。
そんなPUとEPSのお話です。
PUとEPSとは
そもそもPUやEPSとはなんですか??という方に。
サーフボードの芯材の白い発砲素材の芯材は、大きく分けてPU(ポリウレタン)とEPS(expanded polystyrene)の2種類が存在します。
PU素材のほうが歴史は古く、発砲したウレタンフォームにウッドストリンガーを備えた芯材は今も主流となってます。加工のしやすさやライディング中のしなり感がいいのが特徴です。
EPSはここ数年で各ボードブランドで改良がすすみ、PUのようなウッドストリンガーではなくカーボンなどの別素材を組み合わせた造りのものが増えてきてます。PUと比べると軽量で硬く強いしなりの反発が特徴です。
以下でPUとEPSのメリットとデメリットをあげますが、書きながらあくまでも比べるとどっちに軍配があがるかという内容がほとんどという事に気づかされます。
PUのメリットとデメリット
PUのメリット
- ライディング時に粘りのあるしなり感が得られる
- EPSよりも重みがあるのでオフショア強い時も板が降りやすい
- EPSと比べて修理はしやすい
- EPSと比べると比較的安価
PUのデメリット
- 芯材や樹脂がEPSと比べると柔らかいので凹みやすかったり傷つきやすかったり、耐久性は劣る
- ライディング時のレスポンスの速さやスピードはEPSには劣る
個人的にバランス良くて乗りやすく扱いやすいのはPUなのかと思っています。
もしどこかにサーフトリップに持っていけるのがどちらかのみなら私はPUを選びたい。
適度な重みとしなり感は風が強いコンディションも波に力のある時も対応してくれますし、しっかりとスプレーの出るターンはPUのほうが向いていると思います。
この時もやや風あるコンディションでしたが、安定してターンできている↓
耐久性がEPSに比べて劣るというのは、できるだけ長く使用したい一般サーファーには無視できないデメリットでもあります。
とはいえ、サイズやパワーのあるコンディションの時のPUの安定感はやっぱり絶大。
EPSのメリットとデメリット
EPSのメリット
- 板が軽量なのでサーフボードの動きに軽快さがでる
- ターン時のしなり感はPUよりも固くレスポンスが早いのでライディングのスピードが出やすい
- PUボードと比べると耐久性がある
EPSのデメリット
- 板が軽いので風の強い日は影響を受けやすい
- PUに比べるとボードの価格は割高な事がほとんど
- PU樹脂に比べるとエポキシ樹脂は扱い難しく、修理も割高になる
個人的にはEPSはPUに比べてバランスが良いというよりは、部分的に特化した乗り味なのかと思っています。
風のあるコンディションに弱かったりというデメリットはありつつも、EPSならではのレスポンスの速さやスピード感はコンディション合えばPUを上回る性能を発揮します。
この時も板の返りも早いし、スピードも早かった↓
私が入る福岡のパワーレスなビーチブレイクではスピード早いEPSが活躍する場面も多いです。
まとめると双方の特性を理解した上で適材適所を判断
なんにでも一長一短があるように、PUとEPSも甲乙つけがたい長所と短所があります。
あとは乗り手が、それを理解して乗る事が一番重要だと思います。
例えばEPSボードを風強い日に乗って「この板調子悪い」とだけ判断せず、「風の影響は受けやすいけど、板の返りは早いからそれに合ったアプローチをしよう」と自分のサーフィンで調整するよう意識する。
そうすればひとつのボードでも十分幅広いコンディションを楽しむ事ができます。
ほとんどEPSしか乗らないミッシェル・ボーレズみたいなプロサーファーもいるぐらいですから。
ぐりぐりチューブもやっぱりEPS↓
この動画みると、結局は弘法筆を選ばずって事なのかも…(笑)
とはいえ弘法の域に達していない我々一般レベルはやっぱり筆を選んじゃいます。
理想はPUとEPSの両方持っていて、コンディションによって使い分けできるとベストなのかもしれません。
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