サーフボードのリッター数(CL値)の違いをどこまで参考にするか?

123です。

10年前あたりから徐々に浸透してきたサーフボードのリッター数値(cl値)

ここ数年は「このボードは何リッターあるの?」という会話が、サーファー同士で当たり前のようにかわされています。

昔とは違って、ショートボードだけでも多様なアウトラインのモデルがあるので、長さ幅厚みのディメンションではわからないボリュームが把握できるのでとても便利になりました。

ただここ最近、「何リッターぐらいのボードで~」という感じでリッター数メインでサーフボード探している方も多く見受けられる。

個人的にリッター数先行してボード探しをするのは、危ういな~と思ってます。

今回は調子の良いサーフボードを選択しやすくする為の便利なリッター数値が、裏目に出ているような事例もあるというお話m(__)m

サーフボードのリッター数とは

10年ほど前に参加させてもらったファクトリー見学

大手サーフボードブランドが近年どこも採用しているリッター数値。

およそ10年ぐらい前に、アメリカのサンタバーバラのチャネルアイランズ工場見学に参加した時の事。

その当時からプリシェイプはマシンでおこなっており、その際にリッター数値が算出されていたような記憶。

多分そのあたりの時期からアルメリックもボードに表記していた気がします。

 

昔は、長さと幅と厚みのディメンションとアウトラインなどで判断していたボード選び。

そこにリッター数値がプラスされたことにより、ボード選びがとても分かりやすい。

特にここ最近のショートボードはモデルも様々、パフォーマンスショートやファンサーフモデル、ツインフィンなど多様にあるモデルを自分サイズで選ぶ際の重要な数値になってます。

リッター数の注意点

とても便利でありがたいリッター表記ですが、冒頭でもご紹介したように

リッター数値だけでボードを探すというのはちょっと違う気がします。

なぜなら、

・サーフィンスキルによって数値が違う

・選ぶボードモデルによって推奨リッターはかわる

・日頃サーフィンするフィールドによっても選択が変わる(例えば福岡と宮崎だと波のアベレージコンディションが違うから)

・ボードブランドによってリッター数による浮力は若干変わる

 

上記項目見てもらえれば「ネットで調べたら適正が25Lだからそれぐらいのボードを探している。」なんていうボード選びはちょっと危うさを感じてもらえるかと思います。

各項目を詳しくご説明↓

サーフィンスキルによって推奨数値は違う

スキルによっての推奨数値の違いは結構周知されていますし、ブランドによっても初級、中級、上級の各レベルごとに推奨数値を設けているところもあります。

そもそもなぜ同じ体重でもスキルによって数値が違うのか?

 

スキルの高いサーファーほど波のより力のあるポジションを使ってサーフィンします。その為、必要最低限の浮力だけで十分。逆にビギナーサーファーだと波の力の無いポジションを走る事が多いので、そこで失速しにくいようにある程度浮力のサポートがあったほうが楽しめる。

それゆえにスキル別で推奨サイズが違っていると思われます。

モデルによって推奨数値は違う

昔のようなショートボードは細くて尖っているのが当たり前という時代は終わって、現在はショートボードでも多様なモデルがあります。

パフォーマンスモデルや、ちょっとファットなファンサーフなモデルなどあるなかで全てのモデルを同じリッター数で乗るわけではありません。

例えば、私だとパフォーマンス系のボードは24L前後で乗る事が多いですが、極端にファットなツインフィンみたいなモデルを同じぐらいのリッター数で乗る事はありません。

そんな事をすれば、ツインフィンの良さであるフロー感が損なわれちゃいます。

リッター数にとらわれすぎると、せっかくのモデルの良さが損なわれる事があります。

普段サーフィンするフィールドによって数値は違うはず

私は普段福岡エリアでサーフィンする事が多いですが、たまに宮崎などに行くとパワーの違いや波のフェイスの張り出し方の違いを改めて感じます。

これも個人的にですが、波質も違えば多少リッター数の違いも出てくると考えてます。

福岡がメインのサーファーと宮崎がメインのサーファー、同じ体格とスキルとしても同じリッター数というふうにはならないはず。

福岡のようにアベレージコンディションがパワーレスならある程度の浮力はいるだろうし、宮崎のパワーある波で同じ浮力をとると波にはじかれ気味になると思います。

ボードブランドによって数値による浮力に違いがある

各ボードブランドが出しているリッター数値はあくまでもマシンシェイプでのプリシェイプで算出したもの。

工程上、そこからハンドで整えるんですが、その際の落とし具合はブランドによって差異があります。

さらに、使用しているフォームの違いもある。アメリカ製のフォームとオーストラリア製のフォーム。同じリッター数で同じ浮力とはならないはず。

さらにそこからグラッシング…。

こうなると例えばボードブランドA社とB社の同じ25Lの浮力感が全く同じなんてことは、まずありえないと思います。

リッター数値はあくまで参考に

上記の事を踏まえると、リッター数の細かい差が比較でるのは

同じボードブランドの、同じようなコンセプトのボードを、同じようなディメンション際に細かいボリュームの違いを比較する場合。

それ以外の場合はあくまで参考に。

モデルコンセプト、ディメンション、そしてリッター数値と全ての要素の一部として考えたほうがいいと思います。

注意しないといけないのは、実体験伴わないネットの情報だけを参考にして推奨リッター数値を先行してボード選びは危ういです。

 

ただリッター数値はとても分かりやすく、とても便利。

その数値の使い方の良し悪しは、結局各々サーファー次第という事ですね。




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